1 ​傷害罪とは

包帯を巻く看護師

 人の身体を傷害した場合に,傷害罪が成立します。傷害とは,「人の生理的機能を害すること」とされており,典型的には暴行等により肉体的に怪我をさせることですが,嫌がらせ等により精神的な病気にさせることでも成立します。

 なお,傷害罪の成立には,暴行の意図で足り,傷害の意図までは必要ないとされています。例えば,「確かに殴りはしたが怪我をさせるつもりまではなかった」というような場合,怪我を負わせれば,問題なく傷害罪が成立します。

2 自白事件の場合の弁護方針

​① 示談をする

 被疑者を起訴するか否かを決めるのは検察官となります。検察官は,傷害罪の被疑者を起訴するか不起訴にするかを決めるに当たって,示談の有無を重視しています。

 そのため,被害者との間で示談が成立すれば不起訴になる可能性が非常に高くなります。逆に,示談をしなければ略式起訴以上となり,前科がついてしまう可能性が高くなります。

​② 環境を改善する

 例えば,お酒に酔って傷害事件を起こした場合は自身の飲酒癖をどのようにコントロールしていくかを考えてもらいます。
 また,不良グループの一員としてトラブルがあり暴行事件を起こしてしまったような場合は,交友関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となるでしょう。
 生活環境の改善のために,ご家族の協力は非常に重要になります。
 ご家族には日常生活の中で生活環境の改善のため加害者を監督してもらいます。

3 否認事件の場合の弁護方針

​① 正当防衛を主張する

最初に攻撃をしてきたのが相手だったというような場合は,こちらが相手に相当な暴行を加えても正当防衛により無罪となる場合があります。そのような事情があれば,弁護士が正当防衛が成立し得るかどうか判断し,不起訴処分等の獲得を目指します。

​② 共犯ではないことを主張する

たまたま現場に居合わせただけであり,自分は暴行には一切関与していないというような場合,暴行した人間との間で共謀が認められなければ傷害罪は成立しません。謀議への不参加などの事情を確認した場合には,不起訴訴処分等の獲得を目指します。